・・・ということで、『Angel in Broadway! =SEQUEL “The First and Last Romance!=』の上演が終わりました。色々ありましたが、起こったことにクヨクヨしても仕方ないので、いつも通り作品について、つらつらと書いておこうと思います。
今回の後編はデイモン・ラニアンの『ミス・サラ・ブラウンのロマンス』という短編が元になっています。ミュージカルとしても映画としても有名な『ガイズ&ドールズ』と原作は同じなので登場するキャラクターも重なっていますが、物語の展開は随分と違います。もちろん、『ガイズ&ドールズ』はとても優れたミュージカルなので抜群に面白いし、作品としても隙が無いものですが、『ミス・サラ・ブラウンのロマンス』もそれに勝るとも劣らない魅力の詰まった作品だと思っています。
今回はとにかく明るい作品にしたいと思い、『スカイがサラの気を引こうと努力する』ことと『サラが最後はサラがそれに応える』という2点に焦点を絞って物語を構成しました。脚本についての評価は様々ですが、個人的には、とてもウェルメイドとは言えないけれど、スラップスティックとしては良いところに落ち着いたのではないかと思います。
さて、舞台について。
オープニングの映像は正直、今年も去年もなくても成立します。演劇の上演と考えれば、カットしてしかるべき。でも、せっかくコピスに来場してくださったのだから、コピスならではのものをたくさん見せたいと思うわけです。紗幕を使った演出は高校演劇ではなかなか難しい面があり、観る機会も少ないと思うので、ひょっとしたら先輩とかから聞いて、楽しみにしている方もいるんじゃないかなと思い、残しました。
クマについては、ウチのクマ達は百戦錬磨の鉄板ですので、お客さまの反応は騒動通りでした。アンケートに『松ですか?』との声があったので『松です』・・・と云いたいところですが、最初のクマ(ピンクと青)を作ったのは2009年のことで、それから少しずつ作り足してきたので、結果的に『松でした』という方が正しいかなと思います。でも、稽古している時に『松だな・・・』と思ったので、『松』なのだろうと思います。
背景の電飾パネルはこの作品を上演しようと思った時から計画していたパネルでした。去年、『ガイズ&ドールズ』を観た時に1幕最後の明かりが美しかったので、何とか再現できないものかと思ってしまったわけです。もちろん、プロの舞台のように美しい仕上がりになるわけもないのですが、やらずに後悔するより、やって後悔するつもりで挑戦。そんなに後悔はしていませんが、これも賛否が大きく分かれるところ。
でも、そろそろ『イメージしていること』とではなく、現実的に『可能なこと』を考えてプランしなければならないのかなと思います。仕込みの時間が延びてしまったり、舞台上の装置の強度に思いが至らなかったりしている現状は好ましいものとは言えない。例えば今回も映像、電飾パネル、客席降りをなくせば、随分とゆとりが生まれたはず。
別に誰に要求されているわけでもないので、シンプルな舞台を作れば良いと思うのだけれど、アンケートに『来年も楽しみにしています!』とか書かれてしまうと、心揺らいだりもします。一人、他の方達とは違うコピスのプレッシャーを感じているのかも知れません。
いずれにしても、『コピスでミスのない公演ができるのは、いつの日か』と思う今日この頃です。
目次
コメント