客寄せパンダ的な(年頭所感)

まとまらないけど、伝わるかな?

以前、埼玉を良く知る元顧問に、コイケ先生や坂戸の小父さんのような『華やかな才能は無い』(←かなり省略してますが)と言われたぐらい基本的には地味なタイプ。社交性もないので、県内でも地区とかコピス関係の以外の先生とは、ほとんど交流はないし、出場した大会の顧問研修会でも会場の片隅にちょこんと座って時が過ぎるのを待っているのがほとんど。

しかし、2016年12月25日、新潟で最優秀賞を頂いたところから長い旅が始まります。当時の僕は完全にダークホース。ご記憶の方も多いと思いますが、あの時は反応は、

『新座柳瀬? 何処!? マリヴォー? 何!? 稲葉? 誰!?』

………という当然の状況でした。あの時、Twitter上の高校演劇関係者でリアクションが取れていたのは、コイケ先生と県の審査にいらしていた平田先生ぐらい。それは無理もないことで、当時の部長のために頑張ったけど(詳しくは『高校演劇が好きな部長と嫌いな顧問』を参照)、僕も高校演劇に興味が全くなくなっていた時期でした。

心境に変化があったのは昨年の『高校演劇サミット2016』。チケットの予約状況や当日の客入りなどを観ていて、やっぱり『知って頂くこと』が大切なのだと感じました。昨年はとにかく、いわき総合さんがあっという間に売り切れました。もちろん、こちらは普通の高校のなので気にすることはないのだけれど、コンクールを1セットとして観に来てくださることもありがたいのだけれど、ウチを選んで観に来てくれる方を増やさねばと痛切に感じる出来事でした。

なので、サミットのチケット前売りが始まって1週間ぐらい経った頃から、少しずつ派手めに振る舞うように心がけるようにしました。まずは、どんな演目を上演しているのかを知って頂くことが必要ですし、次に会場にいらして頂くためには、できるだけ情報を拡散していくことが必要だと考えたからです。元来、面倒くさがり屋なのでSNSは苦手だったのですが、話題になりそうなことはできるだけTweetをするようにしたり、こまめにリプライをしたりするようにし始めました。

5月に埼玉の事務局長となると参加する会議が増え、実際の社交性を求められる場面が増えます。県内の高等学校文化連盟理事会や事務局長会議、芸術劇場との打ち合わせ、関東の都県事務局長会議や理事会、全国の理事会や総会、それに伴う顧問研修会。これが人見知りにとってはなかなか大変。もちろん、知り合ってしまって話が合えば、そこから先は平気なのだけど、そういう感じじゃない方々だと世間話レベルが極端に低いので、なかなか苦戦。しかし、これは予算や審査員の確保に必要不可欠なある種の外交なので頑張る訳ですが、人の顔と名前を覚える訓練が足りないため、なかなか大変。

こんな感じで、自分の性格とは反対のところで、『それらしく振る舞う』ように気を張っていたので、今年は今までに無く気持ちの面でかなり疲れました。でも、そうした中で出会えた方々とのご縁は大切にしていきたい。

そんなこんなで迎えた昨年末の栃木会場。他県顧問の方々にも少し知り合いが増え、客席にも実際に長くお付き合いのある方から、SNSがあればこそ知り合えた方々の姿もあるし、ウチの上演を楽しみにしてくれていた他校の部員さんもいました。そう考えれば、客席は明らかに2年前とは違う雰囲気になっていました。

そういう雰囲気に触れると、演劇はやはり観て頂いてこそのものだと感じます。知って頂いて、興味を持っていただいて、会場に足をお運びいただくこと。そこから始まります。もちろん、事務局長の学校が派手めに振る舞うことへの是非のようなご意見もありましょうが、ウチが少し派手めに振る舞うことによって、それがインセンティブになって埼玉の発表会に興味を持って頂いて、観て頂いて、お気に入りの演劇部を見つけてもらえたら良いなと思います。

これは最近漠然と考えていることで、経験のある顧問のいる演劇部の役割は、比較的安定した活動ができるのだから、表現は良くないですが『客寄せパンダ』的な役割を果たして、生徒主体の良い作品が出てきたときに、それが多くの人の目に触れる環境を維持するのが役割ではないかと、と。つまりは、

『○○高校が出るから観に行ったんだけど、××高校が良かった』

というようなことが増えていって、「埼玉と言えば?」という問いに色々な学校が上がるようになるのが理想的。そうするとお客さまが増えて、観られることによって、上手くなって、という循環に入っていくのではないか、と。

今年はいよいよ色々な生徒向けの研修会も始めます。これも、この間に出逢った方々のお力をお借りします。色々なことを、少しずつ外向きに開いていければなと思う今日この頃です。

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