最初に誤解がないように(逆に誤解されるかも知れませんが)先にハッキリと申し述べておきますと、今年は完全に審査員に恵まれていました。地区から関東まで『脚本を書くということ』の特に『4』で挙げたようなことを挙げ連ねる審査員に出会わなかったというのが、全国高等学校総合文化祭・演劇部門出場までたどり着いた最も大きな要因だと思います。
地区についてはmomさんが中央発表会のパンフレットの講評に『独特で得意の高校演劇的ではない演技スタイル』と書いてくださいました。中央では筑波大駒場のH先生が『他のどの学校にも似ていない』と書いてくださったことは、表現をする者として何より嬉しいことでした。そして、関東では桐朋の学長先生が『現在の社会的な問題や状況に左右されない、10年後に上演しても演劇としての表現が成立する時間に耐えうる作品』と仰ってくださいました。つまり、この数年、地区発表会で選ばない理由として挙げられてきたことを理由に選ばれたということになります。
う〜ん(@_@;)
気を取り直して(・ω・;)
さて、このたび第52回関東高等学校演劇研究大会におきまして『Love & Chance!』で創作脚本賞(全国高等学校演劇協議会会長賞)を受賞いたしました。今回は地区発表会でご指摘いただいたことを中央発表会までに大きく書き直していますし、中央発表会のお客さまの反応を参考に、関東研究大会までに若干の修正を加えたりしていますので、これまでこの作品をご覧頂いた皆さまのおかげと感謝いたしております。
創作脚本賞の対象となるのは『創作』、小説などを脚本化する『脚色』、既成脚本の本質的な同一性を維持して、全く異なった表現の作品に作り替える『翻案』。今回、対象なのは知っていましたが、そもそもウチのようなストレートなラブ・コメディが選ばれるとは思っていなかったので、発表された時は正直、『(・o・)?』という感じでした。でも、ウチのような作品がこうした賞をいただけたことは、様々なジャンルの作品に可能性があるのではないかと思える出来事でした。
しかし、その一方で地区・県・関東と上位大会に進むにつれて、作品の個性について寛容になるというのは如何なものかと思います。普通は上位大会ほど保守的で権威的になったりするものだと思うのですが(ウチの県だけかも知れませんが)、地区の審査が一番、保守的で『高校演劇、斯くあるべし』という論理が強く働いているように思います。
う〜ん(@_@;)
気を取り直して(・ω・;;)
現実は創作脚本賞を頂いたからといって突然、脚本を書く能力が上がるわけでもありませんし、何かが変わるわけでもありません。相変わらず脚本には自信が持てませんし、もう少し楽観的に賞を頂いたことで自信が持てたらと思いますが、文字で脚本を読まれることの抵抗感が和らぐわけでもありません。
10年前の中央発表会の講評のことでした。その年の審査員の1人が劇作の方で、創作脚本について、脚本を読んだ人が舞台をイメージできるように書かなければならないと仰ったことが今でもとても印象に残っています。僕の脚本は『読んでも、どう上演されるのかがイマイチ分からない』と良く言われます。これもあまり良いことではないんだろうなとも思います。なかなか難しいものです。
今は間もなく来る全国大会に向けた脚本提出に向けて、今は脚本の直しに追われています。もう4度目の提出になるけれど、やっぱり誤字は見つかるし、言葉のリズムに気になるし、場面の並びもこれで良いのかと悩みます。それでも、いつものように頑張っていくしかありません。
ただ、今までと少し違うのは『いつか、こんな作品も認められるかな』と思っていたものが、きちんと認められたのだから、あまり色々気にせずに、自分らしい表現の作品を肩の力を抜いて書いていこうと思えることです。
・・・とまとまりませんが、今後もきちんと自分らしい表現で作品を作っていきたいと思いますので、引き続き、ご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
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