『D LOVER 〜エメラルドの都の真実〜』原作紹介

上演を観る前に予習したい派の皆様へ、本作『D LOVER〜エメラルドの都の真実〜』の原作をご紹介します。もちろん、原作をお読みにならずとも楽しんでいただけるように準備していますので、その点はご安心ください。

『D LOVER』はアメリカ児童文学作家のライマン・フランク・ボームによる『オズの魔法使い(The Wonderful Wizard of Oz)』シリーズを原作としています。ただ、原作にしているのは日本でよく知られている「竜巻によってカンザスからオズの国に飛ばされてきた少女ドロシーが元の世界へと戻るため、エメラルドの都の大魔法使に会いに行く」という第1作ではなく、第2作目です。

シリーズ第1作『オズの魔法使い』は日本でも親しまれているため、最近でも新訳が登場したりしていますし、ジュディ・ガーランド主演の『The Wizard of Oz』などでご存じの方も多いのではないかと思います。オズの国の世界観を知りたい方はこちらがオススメ。こちらを読んでも『D LOVER』のネタバレにはなりません。

オズの魔法使い (新潮文庫)  ライマン・フランク・ボーム 作 / 河野万里子 訳

オズの魔法使い (角川文庫) ライマン・フランク・ボーム 作 / 柴田元幸 訳

オズの魔法使 (Blu-ray) ジュディ・ガーランド 主演 / ビクター・フレミング 監督

日本では『オズの魔法使い』が単独で有名になりすぎて、続編があることはあまり知られていません。しかし、『オズの魔法使い』にはライマン・フランク・ボームによるものだけでも13作品の続編が存在します。

本作『D LOVER』はそのシリーズ2作目『オズの不思議の国(The Marvelous Land of Oz)』を原作としています。この作品では『オズの魔法使い』のすぐ後、ドロシーがカンザスへと帰った後のオズの国の姿が描かれており、シリーズの中で唯一、ドロシーが登場しない作品でもあります。また、お馴染みのかかし、ブリキの木樵、ライオンのうち、ライオンも登場しません。

入手しやすい翻訳作品としては、

オズの虹の国 (ハヤカワ文庫 NV 96) ライマン・フランク・ボーム 作 / 佐藤高子 訳

完訳 オズのふしぎな国 《オズの魔法使いシリーズ2》 ライマン・フランク・ボーム 作 / 宮坂宏美 作

こちらかなと思います。タイトルが『オズの虹の国』だったり『オズのふしぎな国』だったりしていますが、これは翻訳の違いなのでお気になさらず。ただ、この第2作は結末付近にどんでん返し的な展開があるので、そうした展開を楽しみにされたい方は、まず上演を観ていただいた方が新鮮に驚いていただけるかもしれません。

もし、英語を読むのが苦痛でなければ、オススメなのはMARVELから出ている

Oz: The Complete Collection – Wonderful Wizard/Marvelous Land (English Edition)

このシリーズです。これは『オズの魔法使い』と『オズの不思議の国』が1冊にまとまっているので、『D LOVER』の予習用には最適です。英語で書かれていますがコミックなので、各キャラクターのイメージがとても良く伝わってきます。『D LOVER』の稽古期間中はこの本を手元に置いています。

本作『D LOVER』では『オズの魔法使い』の世界観にドロシーやライオンが登場しないのは寂しいので、脚色していく中で登場させることにしました。このことから始まる原作とは異なった展開をお楽しみ頂けたら幸いです。

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